極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
ふふっと笑うお母さんの話に柚月は声を上げた。

「ええ?挨拶って?」

柚月が説明を求めたが、お母さんはスルーする。

『じゃあ、健斗さん、うちの子のことよろしくお願いします。お休みなさい』

「はい、お休みなさい」

にこやかにそう返すと、柚月がスマホに向かって叫ぶ。

「お母さん!ちょっ……話し終わってな……!」

柚月が言い終わらないうちにブチッと通話が切れる音がした。

スマホを返すと、彼女は俺に食ってかかる。

「前園、どうすんのよ!勝手な真似して」

「だから、今度ご挨拶に伺うよ。柚月の実家、福井だったよな?」

ニコニコ顔で柚月に聞く。

「そうだけど……って、挨拶なんかしないでよ。結婚するって親に期待させるでしょう?」

不満を露わにする彼女の頰に手を当てた。

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