極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
9、衝撃のライバル宣言
『愛してる』

前園が私を抱き締めながら囁く。

それで心が満たされるのは何故だろう。

心が温かくなって、身体も温かくなって、すごく安心する。

ずっとこのままでいたい。

私も言葉を返したかったが、まるで人魚姫になったかのように声が出ない。

そして、なぜか海深く沈んでいく。

お、お、溺れる⁉︎

そう思ったらパッと目が覚めた。

さっきのは夢だったか。

ホッとしたのも束の間、目の前に非の打ち所のない前園の顔があって驚愕した。

人はあまりに驚くと咄嗟に声が出ない。

私は前園の腕を枕にしていて、こいつは私を包み込むように抱き締めている。

ああ、昨日……ソファに押し倒されて、前園と寝たんだっけ。

でも、ベッドで寝ているということは、こいつが運んでくれたのか。

< 154 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop