極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
こいつの車は、ドイツ製の白いクーペ。

革張りのシートで、車内もシトラス系のいい匂い。

「横浜の病院」

地下の駐車場に車を停め、前園はクールな顔で答えると、私にマンションの鍵を渡した。

「うちのスペアキー」

今日は車で渡すのか。

まあ、その方が誰にも見られなくていいけど。

仕事が終わったら、安いビジネスホテル予約してこいつのマンション出て行こう。

「どうも」

鍵をバッグに入れ、車を降りる。

前園と一緒にエレベーターに乗るが、幸い誰も乗ってこなかった。

良かった。

こいつとふたりで出勤したのが役員にバレたら厄介だ。

ホッとしたのも束の間、エレベーターが一階に着いて扉が開く。

そこに美希ちゃんや片桐君、営業部の牧君や白石さんが立っていて、一気に青ざめた。

「前園さん、柚月先輩、おはようございます!」
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