極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
美希ちゃんは私と前園を見てニコニコ顔。

それ以外の人達は呆気に取られた顔をしている。

「おはよう」

前園は口元に笑みを浮かべ、大人の魅力全開で挨拶をする。

秘書室のメンツだけならまだ口止め出来るが、営業部の子達にまで見られたのは厄介だ。

社内中に前園と私の噂が広まるだろう。

ああー、もう最悪。

ショックで頭を抱える私の手を前園が掴んだ。

「藤宮、こっち」

私が前園の元に引き寄せられると同時にみんなエレベーターに乗り込んでくる。

エレベーターに乗ってる数十秒がとても長く感じた。

おまけに前園は私の手を離さず、指を絡めてくる。

文句を言いたくてもこの状況では言えない。

だって、片桐君が少し怖い顔でチラチラこっちを見ているし、他の誰かの視線も感じる。

顔を上げて前園をひと睨みしたら、こいつはニヤッとした。


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