極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
前園の視線をまだ感じて気づまりを覚える。

「横浜から今戻ったの?」

今日三時くらいに営業部の前を通った時は、こいつの姿は見えなかった。

「ああ。明日は直出だし、パンフ取りに戻ったんだ」

前園がカタログの入った封筒を掲げる。

「なんか食べて帰るか?」

その質問に無性に肉が食べたくなった。

「焼肉がいい。あー、でも……今月はかなりの出費があるかもしれないし、もうコンビニ弁当にする」

アパートの水漏れのことを思い出し断念すると、前園が気前よく言った。

「それくらいご馳走してやるよ」

合コンの時もこいつが払ってくれたこともあり、美希ちゃんと同じコメントをしてしまう。

「太っ腹だねえ」

「本当に俺が太っ腹からどうかは、お前がよーく知ってるけどな」

ここにふたりしかいないのに、前園は故意に声を潜めた。

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