極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「あんたねえ……」

呆れ顔で文句を言おうとして口をつぐむ。

こいつのこと言えない。

私も前に同じこと考えてた。

一緒にいる時間が多いせいかな?

前園に毒されているような気がする。

バッグを手に取りエアコンや電気を切ると、彼と一緒に秘書室を後にした。

廊下を歩いてエレベーターに乗る。

私は一階のボタンを押したが、前園はB1のボタンを押した。

「今日は一緒に車で来ただろ?」

「……そうだった」

いつもの癖で押してしまった。

やっぱり疲れてるのかな。

前園はゆっくりと背後の壁にもたれかかる。

こいつに背後にいられると何だか落ち着かない。

早く着かないかな。

三十五、三十四、三十三……と階数表示をじっと眺めていたら、突然エレベーターがガタッと音を立てて止まり、電気が消えた。

「え?何?」
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