極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
それでもエレベーターは動かなくて、次に扉をドンドンと叩いた。

「誰か、開けて!誰か!」

助けて!

閉所恐怖症ではないが、閉じ込められていると思うと気が動転した。

「柚月、落ち着けよ」

前園が背後から私の腕を掴んで抱き寄せる。

「だって、エレベーター止まってるんだよ!外の様子もわかんないんだよ!誰も助けに来なかったらどうするの!」

半狂乱で捲し立てる私に、こいつは子供に言い聞かせるように優しく言った。

「大丈夫。きっと誰か助けに来るよ」

「でも……!?」

「大丈夫だ」

反論しようとする私の唇に前園は指を当て黙らせる。

「俺としてはこんな風にお前を抱き締めることが出来てラッキーだけど」

そんな軽口を叩いてこいつは私を落ち着かせようとした。
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