極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
実際、パニックになりかけた。

「ああ〜、もう、早く助けに来て!」

頭を抱える私を前園はギュッと抱き締める。

「助けは必ず来る。それに俺もいるから安心していい」

「前園……」

顔を上げると、こいつはこんな状況なのに甘く微笑んだ。

今日ほど前園の存在を頼もしく感じた日はない。

彼が一緒で良かった。

前園の瞳に私が映る。

トクンと高鳴る心臓。

私達の周りの空気が熱を帯び、時間が止まったような感覚に襲われた。

私の頬にそっと手を添え、こいつはキスをする。

奪うというよりは、与えるような……気持ちのこもったキス。

「何があってもお前だけは守るよ」

前園は真摯な目で言うと、急に表情を崩して笑った。

「そう言えば、エレベーターの中ってカメラあったな」

「あ~、嘘〜!みんなに見られる〜!どうすんのよ!」
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