極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「まあ、海外でもエレベーターに閉じ込められたことはあるし、どう対処すればいいかわかる分余裕があるのかな」

フッと笑えば、柚月は必死な目で質問してきた。

「その時はどれくらいで救助されたの?」

「一時間くらいだった。空調が止まってたし参ったよ。今は空調が動いてるだけマシだ」

ポンと彼女の背中を叩いて慰める。

これでエレベーターの中がサウナ状態だったら、柚月はもっとパニックになっているかもしれないし、肉体的にも辛かっただろう。

「……マシか。やっぱり前園って凄いね」

今度は心から俺を褒める柚月。

「今日は褒められてばっかりで何だか不気味だな」

彼女の様子を観察しながら冷やかす。

救助が来なくて弱気になっているが、まだ具合は悪くはなさそうだ。

柚月は俺の胸をトンと叩いて少し怒った。
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