極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「またそうやって茶化す。……そう言えば、入社当時の前園って冗談なんか言うタイプじゃなかったけど、どうしてそんなに変わったの?」

「変わりたかったから」

笑って誤魔化したら、彼女は俺を睨んだ。

「答えになってない」

あまりカッコイイ話ではない。

だが、こいつの気がそれで紛れるならいいか。

「きっかけは高校三年の時のバスケのインハイ決勝。相手のディフェンスに怪我させられて、チームメイトにはわからないようずっとプレイしてたんだ」

当時のことを思い出しながら、柚月に話して聞かせる。

二点差でこっちが勝ってたが、スリーポイント一本決められればひっくり返る。

ここで俺が抜けたら負けるって思った。

「それで?」

柚月は急かすように先を促す。
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