極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

一目でオーダーメイドとわかるブラックスーツに光沢のあるシルバーのネクタイを身につけた彼はまるでモデルのようにカッコ良くて、会場の女性陣がみんなうっとりと見惚れていた。

弁の立つ前園は高野の学生時代や私達同期四人で飲みに行った話しなどをし、ジョークを交えて会場を盛り上げると、とびきりの笑顔で最後を締めくくる。

「真司、朱莉ちゃんを幸せにしろよ。でないと、彼女の親友に締め上げられるぞ」

私に向かってウィンクする前園。

それを見てドキッとはしなかったけど、不覚にもあいつのスピーチに感動してしまった。

「やっぱり前園さんはすごいなあ。会場の女性のハート鷲掴み。藤宮さんも気をつけて下さいよ……って、泣いてるんですか？」

私の顔を見て片桐君がギョッとした顔をする。

「だって……あいつのスピーチ聞いてたら、同期の四人でワイワイやってたこと……思い出しちゃって」