極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「うう……ん」

くぐもった声を上げる彼女。

「ちょ……カメラ」

柚月に注意されるが、気にせずキスを続けると扉の外から声が聞こえた。

「大丈夫ですか?」

多分消防隊員だろう。

その声に反応して柚月がパッと俺から離れ、襟を正す。

そんな彼女を横目で見ながら、外の人に向かって声を張り上げた。

「大丈夫です」

それから、何やら扉の外が騒がしくなる。

「もうちょっとキスしたかったのにな」

残念そうに言えば、彼女は「もう、馬鹿!」と声を潜めて怒った。

扉が開き消防隊員が入って来てようやくエレベーターの外に出る。

体調を聞かれた後、隊員に誘導されてビルの外に出るがもう停電は復旧したようだった。

一時間半エレベーターに閉じ込められて、柚月はげっそりした顔をしている。
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