極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
だが、都会で生活していればエレベーターに乗るのは避けられない。

「……私のアパートが恋しい。エレベーターないし」

憔悴しきった顔でぼやく彼女に、ニコリと笑って告げる。

「柚月が望むなら一軒家買ってもいいけどな」

俺の発言にギョッとする彼女。

「止めて。前園なら本気で買いそう」

「へえ、もう冗談って言わないんだ?やっと俺のお前への愛をわかってくれた?」

俺の問いにしばし柚月は沈黙する。

そのままだんまりを決め込むかと思ったが、彼女は囁くように小さい声で返事をした。

「うん」

俺にとってはそれは大きな一歩。

今まで彼女は俺が口説こうとしても全然本気にしなかったのだ。

エレベーターを降りると、鍵を開けて部屋に入るが、玄関を上がると柚月は俺のジャケットを掴んだ。

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