極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

マンションの鍵はもらっているが、今の私は居候だ。

いきなり今日行ったら迷惑だろうな。

彼は仕事だし、今日はアパートの方に帰った方がいいだろう。

また水漏れの危険はあるが、徐々に引っ越しの準備をしなくちゃいけないし、少し自分の頭を冷やしたい。

よくよく考えると、今の生活は前園に依存している。

付き合うって言っても家族じゃないのだ。

甘え過ぎは禁物。

そう結論づけて新幹線を降りる準備をしていたら、手に持っていたスマホがブルブル震えて前園からラインが届いた。

【もうすぐ東京駅に着くだろ？八重洲口の改札で待ってるから】

そのメッセージに驚きを隠せない。

【なんで私が今日帰るって知ってるの？】

すぐに文字を打ち込むと返事が間を置かずに来た。

【柚月のお母さんが電話で知らせてくれた】

お母さんが前園に電話？