極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
その端整な甘いマスクは周囲の女性を魅了する。

側を通る人は皆前園を振り返り、そのままうっとりと見ている女の子もいる。

まあ、あんな美形なかなかいないもんね。

前園が私を見つけて微笑んだ。

それを見て嬉しくなる。

やっぱり好きなんだな、私。

改札を通ると、人波に揉まれぬよう前園が私の手を握り、私の手から荷物を奪う。

「こっち」

三日ぶりに聞くその声にドキッ。

彼が人通りの少ない方へ行くので、思わず声をかけた。

「電車で帰るんじゃないの?中央線のホームあっちだよ」

中央線のホームの方を指差せば、前園は小さく笑った。

「車駐車場に停めてるから」

「なるほど。でも、私予定より早く帰って来たし、前園のマンションに行ったら迷惑じゃない?」

足を止めて聞けば、こいつは不機嫌そうに目を細めて言った。
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