極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
おどおどしながら聞けば、こいつはダークな笑みを浮かべた。

「引っ越し業者呼んで、お前のアパートの荷物全部うちに運ばせる」

「ちょ……落ち着いて。私達、付き合い初めたばっかりだよ」

「落ち着くのはお前の方だ。ほら、こんなところで言い合ってても時間の無駄だし帰るぞ、うちへ」

『うちへ』を強調して言うと、前園はスタスタと歩き出す。

小走りで追いかけながら、彼に確認した。

「ねえ、引っ越し業者勝手に手配しないよね?」

「それはお前の態度次第」

前園は意地悪く答えた。

それからこいつの車でマンションに帰ると、スーツケースを開け、母から預かった土産をリビングで彼に渡す。

「これ、うちのお母さんが前園にって」

「福井の地酒?」

彼はビニール袋から箱を取り出し、興味深げに眺めると、私に目を向けた。
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