極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
あまりの美味しさに悶絶してしまった。

「この酒も上手いよ。飲んでみるか?」

ニコリと笑って前園が勧めるが、前のワインの失態が頭を過ぎって悩む。

そんな私の心を見透かしたように、こいつは企み顔で微笑んだ。

「じゃあ、味見だけ」

テーブルに身を乗り出した前園は私にその秀麗な顔を近づけ、口づける。

日本酒の匂いがほのかに香ったかと思ったら、爽やかでドライな味が口の中に広がった。

味見ってそういうこと?

驚きで目を丸くする私を見て、こいつの目は満足げに光った。

「美味しいか?」

前園の質問に黙って頷く。

だけど、少し考えて、「……もっとお酒ちょーだい」とはにかみながら強請った。

お酒が欲しいと言うのは口実。

ホントはもっとキスして欲しかったのだ。

「仰せのままに」

甘い微笑を浮かべ、再び前園はキスをした。
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