極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
お酒は辛口なのに、甘く感じてしまうのはなぜだろう。

ボンと大きな音を立てて花火が上がった。

火の粉が夜空を彩る。

フィナーレに向けて花火が何発も上がった。

目に映るその光景はまるで幻のように儚く美しい。

「綺麗……。でも、もうすぐ終わるのかあ」

少しがっかりする私に、前園は優しい目をして告げた。

「また来年も見られるさ」



「あっ、来月から二週間程、アメリカ出張なんだ」

次の週、朝食を食べていたら前園が思い出したように言った。

二週間って結構長いな。

家主の前園がいないのに、このマンションにいるのは何だか悪い気がする。

こいつが不在中は自分のアパートに帰ろうかな。

そんな私の考えを読んだのか、前園は先手を打つ。

「俺がいない間もここに帰ること。アパートに戻るなよ」
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