極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
手をパンパン叩いてふたりの間に割って入ると、美希ちゃんは渋々自席に戻り、片桐君は私に「すみません」と素直に謝った。

「写真。いい感じで撮れましたよ」

彼は私に顔を寄せて写真を見せる。

「片桐君、構図とか上手いね。インスタとかやってる?」

撮ってもらった写真を見ると、確かに私も美希ちゃんも綺麗に映っていた。

「いいえ。カメラは好きですけどね」

「そう言えば、朱莉と高野の結婚式の時、高そうな一眼レフカメラ持ってたね」

「ええ。あれで風景とか撮るの好きなんですよ。じゃあ、藤宮さん、今度は僕とのツーショットいきますよ」

片桐君は、ニヤリ。

え?

私がリアクションを取る前に、彼は私の肩を親しげに抱いてパシャリと撮る。

「あ~、この驚いた顔の藤宮さん、可愛いですね。僕がこの写真貰いたいくらい。じゃあ、早速前園さんに送信っと」
< 209 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop