極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

ひとりご満悦の片桐君は、私が呆気に取られている間に人のスマホをパパッといじる。

「片桐君、今のはセクハラよ」

美希ちゃんが彼を注意する声でハッと我に返った。

「あっ、ちょっ……片桐君、何してんの？」

慌ててスマホを取り戻そうとしたら、彼は黒い笑みを浮かべてラインの画面を私に見せる。

「だから、今前園さんに写真を送ってあげたんですよ」

なぜか私とのツーショット写真だけを送った片桐君。

ギョッとして彼からスマホを取り戻したら、また前園からメッセージが来た。

【俺がいない間に何浮気してるんだよ】

【違う。かたぎっりくんんが勝手に】

すぐに弁解文を打ったが、焦りすぎて文字が変になってしまった。

【ラインが挙動不審じゃないか。冗談だよ】

前園の返信がまた来て、その文字が頭の中で声に変換される。