極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
【もう寝ろ!】

心の叫びをそのまま文字にして送れば、美希ちゃんがニヤリとして突っ込んで来た。

「柚月先輩、顔赤いですよ。前園さんからラブラブメッセージでも来ました?」

「き、来てないよ。ちょっと歯磨きしてくる」

狼狽えながら否定すると、バッグからポーチを取り出し、トイレに行く。

ここにいないのに、前園は私を激しく動揺させる。

「しっかりしろ、私」

トイレの鏡の前に立ち、頬を軽く叩いて活を入れた。

歯磨きと化粧直しをして秘書室に戻ると、社長の急な出張が入って、対応に追われた。

気がつけばもう午後八時を回っている。

最近食べていないせいか、身体はぐったり。

食事はいらないから、早くベッドに横になりたい。

秘書室に残っているのは、私と片桐君だけ。

役員はもう帰ってしまって、デスクワークに集中していた。
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