極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「本気って言いましたよね?」

ドンと片桐君が壁に手をついて私を追い込んだ。

こ、これが『壁ドン』かあ。

初めてされた……なんて感心している場合じゃない!
どうするの、私!

「あの……私……片桐君のことは……可愛い後輩にしか思えない」

気が動転しながら伝えるが、彼は納得してくれない。

「男に可愛いはないですよ」

片桐君は、ダークな笑みを浮かべる。

その顔を見てゾクッとした。

いつの間にか一人称が『俺』になってしまった彼。

確かに、今はなんか怪しいオーラが出ていて可愛いとは言えない。

「片桐……君、キャラ……違う」

ビクビクする私を見据えると、彼は口角を上げて私の顎を捕らえる。

「こっちが素です」

片桐君の顔が迫って来て、思わず声を上げた。

「いやー!」

彼の顔を手で押さえ、顔を逸らす。
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