極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
エアコンをつけて換気していると、スマホがブルブルと震える音がした。

バッグから取り出してみれば、前園からの着信。

ひょっとして高野から前園に連絡がいったのだろうか。

だが、出たくない。

スマホをカーペットの上に放って無視する。

「私のことなんか放っておいて」

自分もカーペットに座り込み、髪をかき上げた。

前園製薬の御曹司なんて……絶対に無理だ。

うちは実家は農家だし、家柄が違う。

ハイスペック過ぎるよ。

超優良物件と人は言うかもしれないが、世の中そんなに甘くない。

結婚がゴールじゃないのだ。

新たな生活が結婚してから始まるわけで、御曹司となれば人付き合いも大変だろう。

生活だって変わる。

高野と結婚した朱莉だって新しい環境に苦労していると思う。

でも、高野が側にいて守ってくれるから、一緒にいられるんじゃないかな。
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