極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
話が終わると、高野に声をかけられた。

「藤宮、昨日のことなんだけど、翔太には俺からちゃんと言っておいたから、もう大丈夫だ。前園のことは……!?」

「大丈夫。気にしてないから。仕事溜まってるし、行くわね」

前園の話なんて聞きたくない。

高野の言葉を遮って秘書室に戻ると、美希ちゃんが片桐君を絞め上げていた。

私を見て美希ちゃんは何事もなかったかのように自席に着くと、私に話しかける。

「柚月先輩、今日ランチ、外に食べに行きましょう!」

「うーん……でも食欲ないんだよね」

断ろうとしたが、彼女は有無を言わせぬ笑顔で押し切った。

「先輩、食べに行きますからね」

「……はい」

彼女の勢いに負けて頷く。

結局、片桐君を絞め上げていた理由を聞くタイミングを失ってしまった。

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