極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
2、ワインを飲み過ぎてはいけない
「柚月先輩、今日の夜空いてますか?」

会社でメールの処理をしていたら、美希ちゃんが午後の郵便物を仕分けしながら聞いてきた。

秘書課のメンバーは五人。

秘書室を入って手前の席が美希ちゃんで、その向かい側が私の席。

今、私と美希ちゃん以外のメンバーは離席中。

朱莉と高野の結婚式から早いもので一ヶ月経った。

以前は彼女と週二で外にランチを食べに行っていたが、今はずっと秘書室でお弁当を食べている。

それがもう当たり前になってきたが、まだ寂しさは感じる。

「社長を夕方送り出してしまえば何もないよ。いいお店でも見つけたの?」

パソコン画面から顔を上げれば、彼女はどこか企み顔で微笑んだ。

「はい。とってもいいお店見つけたんです」

その時、常務室から秘書室に戻ってきた片桐君が、私達の会話が聞こえたのか足を止めた。
< 23 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop