極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
彼女らしくないそのか細い声。

精神的にも肉体的にも相当参っているんだと思った。

でも、こうして電話をかけてきたのはいい兆候。

俺と向き合う気があるということで……。

「俺も言ってなくてごめん。帰ったら他にも話したいことがあるんだ」

自分の正体について話してなかったことを謝る。

それに、俺がTAKANOを辞めることもちゃんと伝えなくてはいけない。

それは、柚月の未来にも大きく関わること。

だが、電話でなく、彼女の目を見て話をしたい。

社長や高野には俺の意思を伝えてあるが、柚月の説得には少し時間がかかるかもしれない。

彼女にもTAKANOを辞めて俺についてきてもらいたいのだ。

【うん、待ってる】

柚月の言葉を聞いて、胸が苦しくてギュッとなる。

早く彼女の元に帰りたい。

そして、この手で彼女を抱き締めたい。
< 232 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop