極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「それって藤宮さんのことですよね?」

白石さんは強い口調で確認してくる。

「ああ、そうだよ」

柚月とのことを隠すつもりはないし、白石さんの目を見てしっかりと頷いた。

すると、彼女は悔しそうに顔を歪める。

これですんなり引いてくれればいいが。

そう願っていたが、驚いたことに彼女は俺に突然抱きついた。

「私……前園さんが好きなんです。入社した時からずっと。だから、私と付き合ってくれませんか!」

白石さんの告白を冷めた目で見る自分がいる。

全く心が揺れない。

彼女は俺を振り向かせようと必死になっているが、白けてきて「早く部屋に戻れ」と追い返したくなった。

俺ってホント冷たい人間なのかもしれない。

柚月を思うような優しさも熱い感情も湧いて来ない。

彼女だけが俺にとって特別なんだ。

「君とは付き合えない」
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