極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

15、幸せは近くにある

「柚月先輩、そろそろ起きて下さい。空港にお迎え行くんでしょう？もう十一時ですよ」

十一時〜！？

美希ちゃんの声で飛び起きる。

「嘘！もうそんな時間？」

今日成田に行くって前園にメールしたのだ。あいつが成田に到着するのは午後三時過ぎ。

ボサボサの頭をかき上げると、布団から出た。

美希ちゃんに前園のことでお説教された日から、彼女の家にずっと泊まっている。

彼女のアパートは荻窪にあって私と同じ沿線だ。

間取りはうちと同じ一K。

美希ちゃんのベッドの横に布団を敷いて寝ている。

毎晩ガールズトークしながら寝て、それで気が紛れるのか前園ロスで眠れないということはなくなった。

食欲不振は少し改善されて、美希ちゃんの監視下で一日三食ちゃんと食べている。

片桐君はというと、少し距離を置いて私に接してくる。