極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

手に持っていたフォークとナイフが怒りでブルブルと震える。

「すっかり外堀埋められちゃってますね」

美希ちゃんは面白がっているが、私は深い溜め息をついた。

「これですぐに別れたらしゃれにならないよ」

「前園さんが手放さないですよ。もう結婚式場も押さえてたりして」

ニヤリとしながら冷やかす彼女の発言を聞いて耳を塞ぐ。

「美希ちゃん、本当にありそうで怖いよ。止めて〜」

「まあ、柚月先輩が結婚する頃には片桐も先輩達のこと祝福出来るようになると思いますよ。あいつ、猫被っましたけど、根は腐ってないから」

彼女はふわりと優しい笑みを浮かべる。

片桐君のことは自分でもどう関係を修復していいかわからなかったけど、美希ちゃんが彼のこともケアしてくれていてとても助かっている。

また、彼とも笑って仕事が出来ればいいな。