極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
もう最悪の事態しか考えられない。

前園が目を開けず、救急車で運ばれる。

そんな縁起でもないシーンが頭に浮かび、ギュッと目をつぶりながら否定した。

「いや……そんなの嫌!」

「柚月先輩……大丈夫です。きっと前園さん達笑って帰ってきます」

美希ちゃんが私の肩を抱いて慰める。

それからどれくらい時間が経ったのだろう。

予定時間を過ぎても飛行機は到着しない。

お願いだから……帰って来て。

お願い……。

もう祈ることしか出来なかった。

飛行機の到着をひたすら待つ。

すると、四時過ぎに滑走路が騒がしくなった。

何やら警官も十人くらい出て来ている。

私の周囲にいる人達も外の異変に気づいて滑走路に目を向けた。

遠くの方から一機のジェット機がこちらに向かって来て、無事にタッチダウン。

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