極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「ひょっとして……あの飛行機?」

飛行機を指差し、美希ちゃんと目を合わせる。

警官が飛行機の出入り口付近に集まっているが、遠くてよくわからない。

「もうどうなっているの?」

近くで確かめたいのに、それが出来ないのが辛かった。

さらに三十分程経っただろうか。

前園の飛行機に乗っていた乗客が荷物を持って現れ、そこにマスコミが駆けつけインタビューしている。

「怖かった」とか「男が親子に襲いかかって」という声が聞こえて来たが詳細はわからない。

騒然とする空港内。

前園達を待つが姿はなかった。

同じ飛行機に乗って来た乗客はもういないのか、もう他の便の乗客しか来ない。

どこにいるの、前園?

救急車で運ばれたとか?

もう恐怖しか感じない。

エレベーターの中に閉じ込められた時よりも怖かった。
頬を涙がスーッと伝う。
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