極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「……嘘つき。帰るって言ってたじゃない」

涙を拭いながらポツリと呟いた時、美希ちゃんが叫んだ。

「あっ、前園さん達来ました!」

その声に顔を上げれば、腕に包帯をしている前園が牧君達と出て来てーーー。

「前園ーー!」

あいつの名前を呼びながら駆け寄り、その胸に思い切り飛び込んだ。

「うっ、いて。熱烈な歓迎だな」

一瞬顔をしかめるが、前園はすぐに笑顔になって愛おしげに私を見る。

その顔を見たら感極まってしまって、半ばパニックになりながらボコボコと前園の胸を叩いた。

「も、もう!すごく心配したんだからね」

「ごめん。心配かけた」

急に真剣な顔になって彼は私を強く抱き締める。

布越しに伝わるその温もりに、ホッとした。

ああ、彼は今ここにいる。

私のところにちゃんと帰って来てくれた。

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