極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
彼の腕の怪我のことを失念していた。

「あっ、大丈夫?」

そう声をかけたら、前園は「大丈夫」と小さく笑って私を抱いたままベッドに寝そべる。

そのまま激しく抱き合うかと思ったが違った。

「ずっとこうしたかった」

私の髪を撫でながら前園は愛おしげに私を見つめる。

「私も」と答えて彼に顔を近づけると、「うちのシャンプーの匂いじゃないな」と少し咎めるような目で言った。

「美希ちゃんのところに泊まってたの」

クスッと笑いながら言い訳したら、彼は悪戯っぽく笑う。

「この浮気者。お仕置きが必要みたいだな。でも、それは後で。今はこのまま抱いていたい」

チュッと私の唇に軽くキスすると、前園は私を優しく抱き締めて目を閉じる。

かなり疲れていたのか、しばらくすると彼の寝息が聞こえてきた。

「健斗、お帰りなさい」

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