極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
ギョッとした顔で拒絶したら、健斗は私の弱点を攻めてきた。

「あ~あ、せっかくテディベア買ってきてやったのになあ」

わざと残念そうな顔で健斗はベッドの下からぬいぐるみを出してきた。

赤ちゃんぐらいの大きさで、茶色い毛に、まん丸の目。

しかも、見た感じはモコモコしている。

あ~、思い切り抱き締めたい!

私の中のクマさん愛ボルテージが上がった。

テディベアに手を伸ばしたら、「じゃあ、テイクツーいってみようか?」と健斗はなぜか監督気取りで言って、ぬいぐるみを遠ざける。

この悪魔!

彼に恨みがましい視線を向け、ボソッと呟いた。

「健斗」

「何、その仏頂面。ぬいぐるみが泣くぞ」

ハハッと声を上げて笑うと、健斗は私に「ほら」とテディベアを手渡した。

手触り、気持ちいい〜。

「あ~、今日からお前はうちの子よ」
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