極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

いつもの健斗なら"結婚しろ"とか命令しそうなのに、私に返事を要求するところがちょっと憎らしい。

彼なりにいろいろプロポーズの演出も考えたのかと思うと、幸せで胸がいっぱいになった。

「……はい」

こみ上げてくる涙を堪えて返事をするも、涙がスーッと頬を伝って……。

「泣き虫」

優しい声でそう言って健斗は私の頬の涙をペロッと舐めると、私を見つめて唇を重ねてきた。

甘くて、優しく……心が蕩けそう。

ずっとこのままでいたい。

彼と一緒にいたい。

彼の優しさも、ちょっと意地悪なところも……全てが好き。

それから、健斗は私を強く抱き締めた。

まるで私がいることを自分の身体で確かめるようにーー。

不意に健斗が手の力を緩めて私の左手を握りながら、口を開いた。