極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「大丈夫。立花さんには午後から出るって連絡してあるから」

「良かった……じゃない!何勝手なことしてるの!」

健斗に噛み付くが、彼は平然としている。

「婚約者だから、もう家族同然だろ」

ああ~、もう!

今頃秘書室は私と彼の話題で盛り上がってるはずだ。

わざわざ健斗が美希ちゃんに連絡したのは、婚約者面したかったからだろう。

シャワーを浴びて食事を済ませると、彼の車で会社に出勤。

エレベーターの前に立つと、健斗がしっかりと私の左手を握ってきた。

「もう大丈夫だよ」と声をかけるが、彼は手を離さずそのまま私の手を引いてエレベーターに乗り込む。

「俺が怖いから」

見え見えの嘘をつく彼。

嘘つき。

でも、こうしていると安心する。

健斗は私の指輪を撫でてきた。
< 272 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop