極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

「真司さんも優秀でしたけど、いつも前園さんには敵わなかったなあ。でも、誰にでも気さくで、面倒見よくて、人望は真司さんの方がありましたね」

片桐君は淡々と高野のことを語る。

確かに彼は誰にでも優しい。

だから勘違いしちゃったんだよね、私。

「今の大人の余裕がある前園さんも素敵だけど、超クールバージョンの彼も見てみたいなあ」

美希ちゃんは頬杖をつきながら呟く。

イケメンに目がない彼女は、前園のファンだ。

でも、あくまでも観賞用で恋愛対象ではないらしい。

「……言われてみれば、入社した頃の前園って孤高の王子様みたいな感じだったかも。冷たい目をしていて怖くて話しかけられなかったなあ」

それを高野が横にいていつもなだめていたような気がする。

今は女の子見ると気さくに声かけるし、女ったらしのイメージが定着しちゃったけどね。