極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
持って帰って来た風呂敷を広げて着物一式を取り出すと、着ていた服を脱いだ。
鏡の前で着物用肌着である肌襦袢と裾よけをつけると、次に足袋をつける。
それから長襦袢を着たのだが、その時健斗が帰って来た。
「うちで和服って珍しいな」
彼は寝室に入ってくると、ネクタイを片手で器用に外しながら、私に目を向ける。
あちゃー、健斗に内緒でやろうと思ったのに、見つかっちゃった。
いろいろからかわれそうだ。
「今日も健斗のお母様にダメ出しされたから特訓しようと思ったの」
「ダメ出しねえ。でもその着物、うちの母親にもらったんだろ?」
健斗の視線の先には、今日お母様に『これを着なさい』と言われて借りてきた薄紫色の着物があった。
加賀友禅のとても貴重なものらしい。
「もらったんじゃなくてお借りしたのよ」
疲れた声でそう訂正したが、彼はどこか嬉しそうにお母様の真意を説明する。
「それは、母さんが照れくさくてそういう言い方したんだな、きっと。その着物、俺の婆さんの花嫁道具だったらしい。それで、俺の母親が嫁いで来た時に、婆さんから譲り受けたんだ」
鏡の前で着物用肌着である肌襦袢と裾よけをつけると、次に足袋をつける。
それから長襦袢を着たのだが、その時健斗が帰って来た。
「うちで和服って珍しいな」
彼は寝室に入ってくると、ネクタイを片手で器用に外しながら、私に目を向ける。
あちゃー、健斗に内緒でやろうと思ったのに、見つかっちゃった。
いろいろからかわれそうだ。
「今日も健斗のお母様にダメ出しされたから特訓しようと思ったの」
「ダメ出しねえ。でもその着物、うちの母親にもらったんだろ?」
健斗の視線の先には、今日お母様に『これを着なさい』と言われて借りてきた薄紫色の着物があった。
加賀友禅のとても貴重なものらしい。
「もらったんじゃなくてお借りしたのよ」
疲れた声でそう訂正したが、彼はどこか嬉しそうにお母様の真意を説明する。
「それは、母さんが照れくさくてそういう言い方したんだな、きっと。その着物、俺の婆さんの花嫁道具だったらしい。それで、俺の母親が嫁いで来た時に、婆さんから譲り受けたんだ」