極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「立花さん、人の不幸を笑わないで下さいよ」

このまま放置するとふたりが険悪な雰囲気になりそうなので、有無を言わさぬ笑顔で声をかける。

「ふたり共、美味しいプリン食べたことだし、仕事しようか」

それから慌ただしく時間が過ぎて、午後五時五分前に社長室の様子を見に行くと、社長と打合せしていた高野が出て来た。

「今終わったとこ。コーヒーご馳走さま」

彼がにこやかに私の肩をポンと叩くと、触れられたところがカーッと熱が上がる。

落ち着け、私。

平常心だ。

ある意味、前園よりも高野の方が罪深いかも。

可愛い奥さんがいるのに、そんな気安く触れないで欲しい。

「いえいえ、お粗末さまでした」

平静を装って軽く返したら、「藤宮、もう入っていい?」と背後から前園の声がした。




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