極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
私は仕事に生きるわ。

心を落ち着かせて秘書室に戻り、デスクの周りを整理してすぐに帰れるよう準備をする。

すると、帰り支度を終えた美希ちゃんが心配そうに聞いてきた。

「柚月先輩帰れそうですか?」

「今、前園が入ったから、大丈夫。次の社長の予定もあるしね」

私の返答に美希ちゃんはホッとした顔をする。

「秘書室の戸締りは僕がやるんで、社長送り出したら藤宮さん帰っていいですよ。常務の打合せ、多分延びますから」

書類に何か書き込んでいた片桐君が、持っていたペンをクルクル回しながら優しく微笑んだ。

他の秘書の子達は帰ったし、彼は空気を読んで私を気遣ってくれたのだろう。

気が利くし、将来優秀な社長秘書になるだろうな。

「片桐君、ありがと」

にこやかに礼を言うと、美希ちゃんが目を細めて彼を見据えた。
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