極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「片桐君、あんた柚月先輩の前だと忠犬になるわよね。今度から呼び名は”ポチ”にしようかな」

美希ちゃんの皮肉に片桐君は冷ややかに応酬。

「立花さんってドSって言われません?」

うわあ、ふたりの間に火花が散ってる。

「全然。いい?柚月先輩の一番弟子は私だからね」

「今藤宮さんの一番弟子は僕だと思いますけど」

一体ふたりで何を競っているのか。

頭痛がしてきた。

やれやれ……と額に手を当てたら、秘書室のドアが開いて前園がスッと顔を出す。

「藤宮、終わった」

「ん?……ああ、ありがと」

もう十分経ったのか?

壁時計に目をやれば、五時十分過ぎ。

美希ちゃんと片桐君を放置して秘書室を出ると、前園が「じゃあ、後で」と後ろ手を振って去って行く。

『後で』?


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