極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
美希ちゃんが今ご執心なのは高野の右腕の平田君。

クールなメガネ男子で、実家は茶道の家元でボンボン。

先輩を顔色変えずに売る後輩。

美希ちゃん……恐ろしや。

唖然とする私の背中を押し、彼女はみんなに声をかけた。

「遅れてごめーん」

いつもより声のトーンがひとつ上がっている。

美希ちゃんも必死だな。

少し引いていたら、逃げるタイミングを逃し、一番左端の席に座らされた。

向かい側は空席。

合コンなら男女人数一緒のはず。

まだ来てないのかな?

そんなことを考えていたら、プライベートでは一番目にしたくない男が現れた。

「待たせて悪い。仕事の電話かかって来て」

……前園⁉︎

魅惑的な笑みを浮かべ、こいつは当然のように私の前の席に座る。

ああ……⁉︎
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