極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
さっき別れ際に『じゃあ、後で』って言ってたのは、私が合コンに参加するのを知ってたからか。

女の子達は前園を見て色めき立った。

私の隣にいる鈴木さんに声を潜めて「席変わろうか?」と申し出たが、彼女はブンブンと首を横に振る。

「無理です!緊張して何も話せなくなります」

「前園をじゃがいもと思えば大丈夫だよ」

下世話な私はそうアドバイスするが、鈴木さんは頑として首を縦に振らなかった。

「無理なものは無理です〜」

前園が好きなら全力で取りに行けばいいのに……って、人のことは言えないか。

私だって高野に何もアクション起こさなかった。

それ以上強くは言えず、前園の存在を気にしないようドリンクのメニューを見る。

シャンパンもワインも名前だけだと全然わからない。

大抵こういう店に友達と来るときは一番安いお酒を飲んで終わりだ。
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