極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
今も正直未練はある。

でも、誰にも言うつもりはないし、それは私の問題。

この気持ちは、墓場まで持っていくつもりだ。

墓場なんて言葉が出てくる時点で、私の人生終わっているかもね。

「一生待っても私の番なんて来ないわよ」

もう当分恋なんてしない。

ボソッと自虐的に呟くと、受け取ったブーケを上に掲げてニコリと笑顔を作った。

「この場面で笑うお前って凄いな。尊敬する」

いつの間にか私の横に立っていたその男は、私を見下ろして微かに口角を上げた。

こいつは、前園健斗。

新郎の高野の親友。

小学校からずっと一緒だったらしい。

絹糸のようなブラウンの髪、俳優顔負けの端整な甘いマスクに百八十センチの長身。

私が思うに今まで見た中で一番の美形だが、天性の女ったらし。

泣かした女は星の数ほどいる。

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