極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
3、酔いが醒めた彼女とー健斗side
「前園……眠い。着いたら起こして」

タクシーの後部座席にあくびをしながら寄りかかる藤宮。

この無防備な顔。

……お前、俺を男と思っていないだろ?

少しは警戒心を持てと説教したくなる。

だが、酔っ払ったこいつに言っても無駄だろう。

同期の藤宮とはもう七年の付き合いになるが、こんなに酒癖が悪いとは思わなかった。

多分、俺がこいつと飲む時はいつも高野がいたし、自分をセーブしていたのかもしれない。

藤宮は俺の親友で同期の高野に惚れていた。

高野は見目も良くて性格も温厚で仕事が出来て、男の俺から見てもいい奴だし、人に好かれる。

将来への道が決まっていた俺が親父に頭を下げてTAKANOに入ったのも、学生時代俺よりも人望のあった彼を見習いたかったからだ。


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