極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
罵られているのに嬉しくなる。

世界中探しても俺にこんな口を聞けるのはこいつくらいだ。

特に女は俺に媚びへつらう奴が多い。

昔はそんな女を冷たくあしらっていたが、社会人になってからは処世術を覚えてにこやかに振る舞うようになった。

不意に身体の力が抜けて俺に寄りかかる藤宮。

その身体にそっと触れると、俺の膝を枕にして眠らせた。

そのあどけない顔。

見てるだけで自然と口元が綻び、彼女の頭を優しく撫でる。

今まで女は気晴らしの道具でしかなかった。

学生の頃は同世代の女は面倒で家庭教師などの年上の女を相手にし、社会人になってからは後腐れのない相手と関係を持った。

恋人は作らない。

だが、藤宮に対しては今まで知らなかった感情を抱いた。

もっと側にいて俺が守ってやりたい。
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