極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
寝ぼけ眼の彼女はバッグの中を漁って鍵を取り出し、よたよた歩いて一階の右端の部屋に向かう。

アパートの周囲は暗くて、部屋は一階の角部屋。

街灯も少ないし、深夜だと人通りもない。

女がひとり暮らしする場所じゃないだろう?

危ないんじゃないか?

そんなことを気にかけながら藤宮が部屋に入るのを見ていたが、鍵を開けたこいつは靴も脱がずに玄関に突っ伏した。

「おい、藤宮!」

慌てて彼女に駆け寄る。

「こら、ここで寝るな」

藤宮の肩を揺すって起こそうとするが、彼女は起き上がらない。

「だって……眠い。前園……ベッドまで運びなさいよ」

この高飛車な口調。

思わず溜め息が漏れた。

「はい、はい、女王さま」

玄関の明かりをつけて藤宮のパンプスを脱がし、自分も靴を脱いで玄関を上がると、彼女を抱き上げて中に入る。
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