極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
十分程シャワーを浴びてバスタオルを巻きつけ、鏡に映る自分を見て愕然とした。

身体中に鬱血痕。

何これ?

いわゆるキスマークってやつだよね?

普通は愛された印って思うかもしれないが、今の私にはあいつの嫌がらせにしか思えない。

……頭痛い。

「前園、何してくれてんの!」

小声で毒づく。

休日じゃないし、このままバスルームに籠っているわけにはいかない。

自己嫌悪に陥りながらバスルームを出ると、スーツを身につけた前園がベッドに腰掛けスマホを見ていた。

いつもと違い髪は乱れているし、無精髭があるけど、それはそれでどこか危険な魅力がある。

あっ、前園に気をとられている場合じゃない。

早く着替えなきゃ。

クローゼットに行くと、下着と服を取り出し、再びバスルームに戻ろうとした。

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