極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
だが、不意に彼に声をかけられる。

「柚月って、レースとかフリル好きなんだな?」

『レース』と言われて、思わず持っていた下着に目をやった。

誰に見せるわけでもなく、ただ自分の趣味で買ったピンクのレースの下着。

……目敏い。

ずっとスマホ見てればいいのに。

ギロッと睨むば、前園はニヤニヤ顔で私を見た。

「もう全部見て知ってるんだし、ここで着替えれば?」

「遠慮します!」

叫ぶように言ってバスルームに駆け込むと、発狂した。

「ああ〜、もう、死にた〜い!」

ハハッとドアの外から前園の笑い声がする。

私……完全に遊ばれてるよ。

もう恥ずかしさを通り越して怒りが込み上げてきた。

「前園の馬鹿!女ったらし!……悪魔!自信家!」

思いつく限りの悪態をつきながら着替えて、さっとメイクをする。

五分ほどで部屋に戻れば、甘い匂いがした。
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