極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
前園の姿探すと、なぜかキッチンに立っていて、慣れた手つきでフレンチトーストを作っている。

呆気に取られる私を振り返り、彼は「柚月、粉糖ない?」と聞いてきた。

「……ない」

力なく答えるが、こいつは穏やかに微笑む。

「まあなくても砂糖入ってるし、いいか。柚月、皿用意して」

言われるまま棚から皿を取り出せば、前園はそこに作り立てのフレンチトーストを乗せた。

「飲み物は紅茶でいいか?」

にこやかに尋ねられてコクリと頷くと、紅茶のある場所を指差した。

「紅茶はそこの黒い缶に入ってる」

……何だろう?

この至れり尽せりな感じ。

サラダまで作ってあるし、執事か?

他の女の子にもこんなサービスしたのだろうか?

「柚月、テーブルに運んで」

紅茶を淹れている前園が、顎でクイッと皿を示す。

もうすっかりこいつのペースだ。

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